新型コロナの影響で工事完了などが「3月15日」を過ぎそうなときも、対応法はある ー 住宅資金贈与の非課税規定(その⑤)

国税庁は2月3日、2021年分の所得税などの確定申告について、新型コロナウイルスの影響で申告が困難な人を対象に、「簡易な申請(※)で4月15日まで延長を認める」と発表しました。

申告書の余白や国税電子申告・納税システム(e―Tax)の特記事項などに「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載します。

ただ、先週に発表された延長措置は、「納税者本人への影響」を念頭に置いています。

従前のブログ(※※)に記していますが、「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」を受けるためには、

取得期限(贈与年の翌年3月15日)までに、住宅取得等資金の全額を充てて住宅用家屋の新築(最低限、「棟上げ」まで工事完了)または取得等をし、

②かつ、居住期限(贈与年の翌年12月31日)までに、その居住用家屋に居住する必要があります。

※※
「新築」のときは、「来年3月15日までに、棟上げできるか?」をチェック- 住宅資金贈与の非課税規定(その①)
「取得」のときは、「来年3月15日までの『引渡し』は大丈夫か?」をチェック- 住宅資金贈与の非課税規定(その②)

つまり、「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」を受けられるか否かについては、納税者本人の事情だけでなく、工事の工期(進捗)が影響します。

仮に、親御さんなどから2021年(令和3年)に住宅資金の贈与を受けられた方が、現場作業員の感染者の発生や資材の調達遅延などにより工期スケジュールに遅延が生じた結果、「上記の期限は、ともて守れそうにない‥」とわかったら、どのように対応すれば良いのでしょうか?

本日は、そのようなケースについての記事です。

目次(Table of contents)

「取得期限」と「居住期限」、それぞれ1年 延ばすことができます

次のセクションに記す書類を 2021年(令和3年)分・贈与税確定申告書に追加添付すれば、「取得期限」と「居住期限」を、それぞれ1年延ばすことができます

新型コロナウイルス感染症については、自然災害などによる建築中の家屋への直接的な被害が生じていません。

しかし、感染者だけでなく、濃厚接触者に対する自宅待機の要請などは、現場作業員の減少や資材調達の遅れなどをもたらします。

そして、それらは工期の延長に直結し、納税者にとっては、手のほどこしようがない「災害」そのものです。

国は、災害にかかる税制上の措置を、「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」にも援用し、このような1年の延長規定を設けています。

以下は、この延長規定により、「贈与を受けた年」を2021年(令和3年)として、「取得期限」と「居住期限」がどのように変わるかをまとめたものです。

原則「災害にかかる税制上の措置」を援用した延長規定
取得期限
-「新築」ケースは、少なくとも、「棟上げ」までの工事完了
-「取得」ケースは、「引渡し」が完了
2022年(令和4年)3月15日
2023年(令和5年)3月15日
居住期限2022年(令和4年)12月31日2023年(令和5年)12月31日

重要な追加書類‥施工会社等からの「コロナにより工期延長を余儀なくされた」旨を明らかにする書類

では、この延長規定の適用を受けるためには、どのような書類を準備すれば良いのでしょうか?

次の書類が、追加分として必要になります。
(こなれた名称を思いつかず、国税庁HPより そのまま引用すること、ご容赦ください)。

災害に基因するやむを得ない事情により令和4年3月15日までに住宅用の家屋の新築又は取得ができなかったことを明らかにする書類

国税庁HP「令和3年分 「住宅取得等資金の贈与税の特例(災害に関する税制上の措置)」のチェックシートⒸ-1 新築又は取得用」の、「2・3」の①

この書類の作成主体は、申告書を提出する納税者ではありません。施工会社などです。

施工会社などに、コロナの影響で工期が遅延し3月15日までに完了できなかった事態を、その理由(例:資機材の調達の遅れ、and/or 感染者の発生など)とともに簡記してもらい、ほかの必要書類(※)とあわせ、確定申告書に添付し税務署へ提出します。

以下の原則的な要添付書類です。
・受贈者・の戸籍の謄本
・源泉徴収票など、2021年(令和3年)分の合計所得金額を明らかにする書類
・「新築」や「取得」にかかる契約書等の写し
・新築工事等が完了していない場合の「確約書」(完成後遅滞なく住むこと、居住開始予定時期などを約す)、
など。

なお、当然のことながら、この追加書類を準備できるのは、
①2023年(令和5年)3月15日までに住宅用家屋の工事が完了または取得し、
②かつ、どれだけ遅くとも、2023年(令和5年)12月31日までに居住する見込みがある、
場合です。

まとめ

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」の利用者は、年間ベースで 約6万人と聞きます。

この特例の適用を予定されている方のなかには、オミクロン株による感染拡大の影響を受けておられる方がおられるかもしれません。

ご参考になるところあれば、幸いです。

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