【仕事されながらの税理士試験③】 試験当日のこと 3選

私の受験時代の「ラスト10日以降」の振り返りの中から、「お役に立てるかも…」と思うことを書いてきました。

本日は、その最後。試験当日のことについて、三つ記します。

※ 2019年、スペイン・アンダルシア地方の地平線です。

「ムキ」にならない

「ムキ」になると、傷口をひろげます。

野球の「例え」で、おそれいります。
①9回で一点リードの、守備側。が、ランナーは一塁&二塁と、一打同点のピンチ。
②バッターが打つ。打球はゴロながら、あいにく、一・二塁間を抜けライト(右翼手)へ。
③バックホームを急ごうと、「ムキ」になり突っ込んできたライトは、ボールを後逸。
④二塁ランナーは、やすやすホームイン。さらに、一塁走者も、二塁と三塁をけって 本塁へ…。
を、ご覧になられたことはありませんか?

私の場合、計算で「確かに学習した論点。が、どんな計算処理だったか思い出せない!」というのが、一番「ムキ」になるパターンでした。

よく言われることですが、「ムキ」は、本当に禁物です。
「ムキになっているかも…」と感じられたら、その箇所にチェックマークをつけ、いったん離れましょう。

いったん飛ばした箇所の「次の箇所(問題)」が解ければ、心は落ち着きます。時間も浪費しません。

こうした「次の箇所」を続ければ、飛ばした箇所へ最後に戻り、点数を積み上げることさえ可能になります。

パニックになったら → 今しなければいけないことに、頭を切り替える

こちらも、2015年ラグビーW杯にて日本代表チームが南アフリカを撃破したときの、チーム・メンタルコーチを務められた荒木香織さんの言葉(同氏の著書「ラグビー日本代表を変えた『心の鍛え方』」 p.151~p.152より)です。

2017年夏の所得税法受験のとき、この言葉に助けてもらいました。

その年は、理論・計算とも、ボリュームたっぷり、かつ、難しく、「なんやこれ、あかん」と試験開始早々に白旗をあげそうになりました。

そのときに思い出せたのが、この荒木さんのメッセージ。

「そうだ。今できる『一つ一つのベストプレー』を心がけよう」と切り替えが効き、その後は、問題に向き合えました(フタをあければ、その年は合格ライン自体が下がり、おかげさまで合格)。

受験される皆さまも、「こうすれば、心がリセットできる!」という「マイ・ルール」や「魔法のフレーズ」をお持ちではないでしょうか?

いま一度、ご確認ください。思いのほか、威力を発揮します。

問題文(解答要求事項)の読み取りに、全集中を


問題文(解答要求事項)の読み違いは、もっとも痛手です。

私自身、理論問題にて、
・注記や「カッコ書き」の読み飛ばし、
・あるいは、問題文そのものの「意味取り違え」、
などで、何度も痛い目にあいました。

また、簿記論や財表でも、
・解答要求事項の読み取りに苦労したこと、
・試算表タイトルや会計期間の確認に神経を使ったこと、
を覚えています。

ご自身が確立されている「読み取りのルーティン(色ペンの活用ほか)」にしたがい、試験本番こそ、全集中で問題文をお読みください。

おわりに

一週間前のブログに「受験される方は、学習面のラストスパートだけでなく、昨年以上に、コロナ・ウイルスに注意を払わなければならず、そのご苦労には頭が下がるばかりです」と記しました。

しかし、その後の一週間、コロナ・ウイルス感染は拡大の一途。
さらには、西日本を中心とした記録的豪雨も。

ご家族含め、大変な状況に置かれている方は少なくないと思います。

そうしたなか、ベストを尽くされている皆さまの当日のご健闘を、心よりお祈りいたします。

以上